山口真由著『東大首席弁護士が実践!誰でもできる<完全独学>勉強術』(SB新書)

著者の山口真由氏は東京大学を首席で卒業し、財務省を経て現在は弁護士をしている。東京大学在学中も司法試験や国家公務員Ⅰ種試験(現・国家公務員総合職試験)に1回で合格するなど、まさにエリート中のエリートと言える。本書ではそんな著者が独自に考案した「7回読み勉強法」があますことなく紹介されている。

超がつくほどのエリートが紹介する勉強法というと、なんだかすごく高度で難しそうなものを想像してしまうが、その内容は1冊の教科書を7回読んでインプットするというシンプルなものである。ただし、7回読むと言っても同じように読むのではなく、1回~3回は全編をざっと読んでイメージをつかみ、4回~5回で内容を理解し、6回~7回で頭に叩き込むというように回数によって読み方を変えるのである。

著者は中学時代から勉強は独学で塾には一切通ったことがないそうだ。それでも全国模試で全国トップの成績をとったり、定期試験で好成績を収めるといった成功体験を重ねることで徐々に「7回読み勉強法」を完成させていった。ただし、模試の成績が悪かった時や、塾に通う同級生の勉強法を聞いた時には教科書を読むだけでいいのかと不安になることもあったという。

そうした話を聞くと、東大主席弁護士という肩書を持つ著者に対しても親近感がわいてくる。たしかに経歴だけをみれば華やかなエリートなのだが、挫折しても努力し続けることで結果を残してきたという点は共感できるし、夢や目標に向けて勉強に打ち込んでいる人にとっては大きな励みになるだろう。

本書は勉強することによって何かを成し遂げたいという人には非常におススメである。勉強法が参考になるのはもちろんだが、集中力を高める方法やスケジューリングについても著者独自の見解が述べられていて面白い。