『外資系コンサルが教える読書を仕事につなげる技術』(山口周著、KADOKAWA)に仕事に活かす読書術を学ぶ

仕事や生活の悩みを解決するために本を読むことは多いが、本から得た知識を実際に活用するのは意外と難しい。読んでいるときは、いろんな気づきが得られた(ような気になっているだけかもしれないが)と思うのだが、後から振り返ると内容をさっぱり覚えていないこともある。娯楽として読む本は別として、何かを得るために読む本はせめてそこから得られた知識を後々に活用できるようにしたい。そこで今回は『外資系コンサルが教える読書を仕事につなげる技術』(山口周著、KADOKAWA)を参考にして、仕事に活かすための読書について考えてみたいと思う。

 

本書では「どのような本を」、「どのように読み」、「どのように知識を貯蔵するか」ということがとてもわかりやすく説明されている。そのどれもがとても参考になるのだが、今回は読んだ本(教養書)の知識を活かすために「どのように知識を貯蔵するか」といった点に注目してみたいと思う。

 

その方法について著者は次のように述べている。

 

結論から言えば、読書で得た知識や感性を仕事に活かそうとした場合、大事なのは「読んだ後」なのです。(中略)知的生産に従事するビジネスパーソンも、さまざまな本から得た知識を貯蔵し、文脈に応じてそれらを組み合わせることで知的成果を生み出すことが求められます。(P8~P9)

 

具体的には、本を読んで重要だと思われた箇所をデジタルデータとして転記し、いつでも検索して確認できるようにしておくのです。(P142)

 

要は読書ノートをデジタルデータとして残すということなのだが、本書で著者が紹介している方法はとてもユニークである。基本的には本を読んでいて面白い部分を転記していくのだが、ただ転記するのではなく後に活用できるような形にするのである。ポイントとなるのは「抽象化」。これは本から得た知識や事象「要するに〇〇だ」と置き換えることである。こうすることで、知識がいろんな場面で活用できるようになるのである。そして「抽象化」したものが実際仕事のどんな部分に使えるのか、そしてそのためにどんな行動を取るのかということまでデジタルデータに残すのである。

 

これまでは本を読んでいて、気になる部分をノートに書き出すことはあった。 だけども、それを後々に活用できるように行動プランにまで落とし込むことは考えてこなかった。読んだ本の知識を「使える」ようにするために、私も早速自分なりの「情報のイケス」(デジタルデータ)を作っていこうと思う。

 

今回の参考書籍。仕事に役に立つ本の選び方や読み方、そして読んだ本を後々に活用するための方法論がとてもわかりやすく書かれている。本から得た知識を活かしきれていないという人にはとてもおすすめの一冊。

外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術

外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術