理論株価を算出する②:フリーキャッシュフロー
永遠に毎年生み出す利益(キャッシュ)の合計額が
この会社の値段となる、これが企業価値算定の基本。
※森生明著『会社の値段』(ちくま新書)より
会社の値段はその会社が将来にわたって
どれだけキャッシュを稼ぐことができるかで決まります。
つまり会社が今後稼ぐであろうキャッシュを
全部足したものがその会社の値段となります。
これを式で表すと
PV=C/r-g
でした。
この式を言葉で説明すると
会社が将来生み出すキャッシュを現在価値に割り引き
それらすべてを足し合わせるという意味になります。
ではそのCですが
理論株価を算出する場合は
フリーキャッシュフローを用います。
フリーキャッシュフローとは
純現金収支の意で
決算時点で企業が稼ぎだした現金のことを言います。
そしてこのフリーキャッシュフロー(FCF)を求める式は下記のようになります。
FCF=営業利益+減価償却費-法人税等-設備投資額-増加運転資本
これらは四季報や貸借対照表、損益計算書から拾うことができますが増加運転資本はちょっとわかりづらいかもしれませんね。
というわけで補足
増加運転資本=流動資産-(流動負債-短期借入金)
または
増加運転資本=売上債権(売掛金・受取手形)+在庫-支払債務(買掛金・支払手形)
という式で求められます。
※実務上は下の式を使うことが多いようです。
色々書きましたが、今回のポイントは
会社の値段はその会社が将来にわたって稼ぎ出す
キャッシュの合計であるということ。
というわけで続きはまた今度。
参考文献
サバイバルとしての金融―株価とは何か・企業買収は悪いことか (祥伝社新書)
会社の値段 (ちくま新書)
道具としてのファイナンス