坪田一男著『アンチエイジング・バトル最終決着』(朝日新書)

昔から老け顔と言われてきたせいか、アンチエイジングに対して人並み以上に関心を持っている。そんな私は老化防止のために毎日「飲む酢」を飲み、10秒の背伸びを行い、さらには水をたくさん飲むというベタなことまでやっている。だが、老化防止によいと言われているものの中には「実はよくない」という意見もあったりして、本当のところはどうなのだろうと疑問を抱くことも多々ある。

例えば、前述した水をたくさん飲むということについても賛否はあるし、その他にもサプリメントは摂るべきか、長生きするには小太りがよいのか、食事は1日何回とるべきかといったことについても、何がよいかは諸説あるので、結局どうするのが一番よいのだろうかと途方に暮れてしまう。さらに自分が熱心に行ってきたことについて「実はよくない」という意見を知った時の衝撃はアンチエイジングに対しての情熱の炎が消えてしまうほどである。

本書はそんなアンチエイジングにまつわる30の論争について、日本抗加齢医学会理事長である著者がファイナルアンサーを提示している。このファイナルアンサーも一方的ではなく、まずは肯定派否定派両方の意見を紹介し、その上で結論を述べているので非常にわかりやすく、納得ができるものとなっている。中には専門的な話も出てくるが、本書の「はじめに」でエイジングとはどうして起こるのかという根源的な部分についても触れられているので、それぞれの内容がとても理解がしやすくなっている。

そんなわけで私のアンチエイジングに対する情熱の炎はまだしばらくは消えずにすみそうである。