伊藤喜之著『バカでも年収1000万円』(ダイヤモンド社)

本棚を整理していたら出てきた1冊。

タイトルからすると
完全にトンデモ本の類であり
自分でもなんで買ったのか覚えていない。

このまま読まずに…とも思ったのだが
軽い気持ちで読んでみたら
意外と(と言っては失礼だが)面白く、
結局は全部読んでしまった。

著者は自称バカリーマン日本代表。
そんな著者がエリートや天才に勝つために
試行錯誤を繰り返しながら編み出した
成功法則を本書では
余すことなく紹介している。

自らをバカと言ってしまう人が編み出した
成功法則とは一体どんなものなのか
期待しながら読み進めていったのだが
紹介されている成功法則は
意外にも当たり前のことばかりで
少々拍子抜けしてしまった。
(自分の中で期待値が高かっただけで
内容が悪いわけではない)

この当たり前のことを
出来ている人が多くない環境では
きちんと実践した人が
大きな成果を上げることはあるだろう。

だが、結局のところ
仕事で大きな成果を上げたり
成功したりするのには
そんな成功法則なんかよりも
「誰かを見返したい」というような
気持ちの方が大事だと個人的に思っている。

著者が試行錯誤のうえに
自分なりの成功法則を編み出し
それを実践することで成功したのは
かつて自分のことをバカにした人を
「いつか見返してやる!」
という気持ちがあったからであり、
その気持ちなくして
成功法則は生まれなかったし
実際に成功することもなかったはずだ。

これは本書の中で著者も
次のような言葉で述べている。

「悔しさ」は、行動するための、
最も大きなエネルギー源なのです。(P142)

悔しさは、「自分を変える」ための、
モチベーションになりますし、
悔しさは、新しいことにチャレンジするための、
エネルギー源になります。(P145)

だから悔しい気持ちは流さないで
そのままため込んで
行動の原動力にすべき
というわけである。

もし実際に誰かを見返したい
という気持ちを持っているが
どうしたらよいからわからない
というような方は読んでみると
きっと良いヒントが得られるだろう。

(著者はきっとバカではないが)
バカと言われた著者がどのようにして
年収1000万円を得るまでに至ったのか
というエピソードも面白かったのでおススメだ。
(ただ、買うのはちょっと恥ずかしいのだが…)

バカでも年収1000万円バカでも年収1000万円
著者:伊藤 喜之
販売元:ダイヤモンド社
(2010-07-30)
販売元:Amazon.co.jp