佐藤留美著『なぜ、勉強しても出世できないのか？』（ソフトバンク新書）

スキルアップに熱中する人は
私が会社員時代にも多かった。

ビジネス書に影響されて
速読、親指シフト、
マインドマップを使ってみたり
（一体何に使うのか私にはさっぱり…）
TOEICのスコアアップや
その他資格取得に向け努力する。
また仕事や人生の目標を
手帳でキッチリ管理して
夢を実現しようとする。

それだけでは飽き足らず
仕事前は朝活に参加し
さらに仕事終わりにセミナーに参加する。 

そんな人たちを見て
私は「よくそこまで頑張るなぁ」 
と思いながらも
「そんなことより目の前のことをもっと頑張れよ」 
とも思ったものだ。

もちろん
今の自分の仕事の質を上げるために
努力をすることは必要だ。

でもその努力は
ビジネス書を読んで〇〇力を磨いたり
資格取得に励むということではない。
（仕事に必要な資格はこの限りではない）

仕事の質を上げ成果を出すためのヒントは
意外と自分のすぐ近くに転がってるものだ。

個人的な話をすれば
私が仕事をする上で
一番助けられたのは
ビジネス書でも〇〇力でもなく
直属の上司からのアドバイスだった。

時に厳しいことも言われたが
同じ仕事をしているメンバーでもあるからこそ
その言葉の意味が痛いほどよくわかった。

だからこそ
上司を喜ばせるために仕事をしてきたし
それでだいぶ認められた部分もあった。 

大企業が経営危機に陥るこんな世の中だから
不安に駆られてついつい
スキルアップに熱心になってしまう人もいると思う。

そんな人はぜひ本書を読んでみてほしい。
スキルアップがなぜダメなのかだけではなく
どうすればよいかという代案まで提示されているので
スキルアップというものを考え直すいいきっかけになるはずだ。

なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術 (ソフトバンク新書)
著者：佐藤 留美
販売元：ソフトバンククリエイティブ
(2012-10-18)
販売元：Amazon.co.jp