大村大次郎著『あらゆる領収書は経費で落とせる』(中公新書ラクレ)

著者の大村氏は元国税調査官
本書ではそんな大村氏が
ありとあらゆる領収書を費用として計上し
納税額を減らすための実践的な知識を披露している。

もちろん偽物の領収書や
偽造されたものがダメなのは言うまでもないが
ある一定の手順を踏めば
飲食費やレジャー費だけではなく
自宅用の車や家
さらには愛人手当や手切れ金といったものまで
経費として計上する方法が紹介されている。
(もちろん合法的にだ)

著者が愛人手当や手切れ金といった
極端な例を挙げているのは
それらを経費として落とす知識を身につけていれば
他のほどんどの経費も落とせるようになる
という考えからであり
決して上記の事例を推奨しているわけではない。

どういう場合にどういう手順を踏めば
経費として認められるかという根本的な部分を
(あえて極端な事例を用いることで)
読者に理解してもらうのが著者の狙いなのである。

こうした考え方を身につけることは
我々納税者にとっては必須と言える。
というのは税務署員が皆必ずしも
正しい会計知識を持っているわけではないし
たとえ正しい会計知識を持っていても
納税者が知識に疎いとわかると
嘘をついて納税額を増やそうとする税務署員も
少なからずいるからだ。

税務署が常に正しいとは限らないから
納税者側も正しい知識を持ち
理論武装しておくに越したことはない。

本書は経費についての基本的な考え方を
学べるだけではない。
領収書の形態や必要性など
今まで正しいと思い込んでたことが
実はそうではなかった等
新たな発見がありとても参考になる。

読み物としては誰でも楽しめると思うが
個人事業主や企業経営者
会社の経理担当者といった方々は特に
本書を読んでおいて損はないだろう。

あらゆる領収書は経費で落とせる (中公新書ラクレ)あらゆる領収書は経費で落とせる (中公新書ラクレ)
著者:大村 大次郎
販売元:中央公論新社
(2011-09-09)
販売元:Amazon.co.jp