大村大次郎著『税務署員だけのヒミツの節税術 あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】』(中公新書ラクレ)

本書は先日紹介した
あらゆる領収書は経費で落とせる』の
続編である。(レビュー

内容は『あらゆる~』と重複することも多いが
自営業の方や個人事業者、フリーランサー
読んでおくべき一冊と言える。

前著同様に
あらゆる領収書を経費で落とす方法から
一般的には知られていない
所得控除についてまで詳しく書かれている。

さらには確定申告で
青色申告、白色申告どちらを選択すべきかも
両方のメリットデメリットが
きちんと説明されているので
税金についての知識がまったくない
という方でも容易に理解できるだろう。

そもそも
こういう節税についての知識は
一般的にはあまり知られていない。

私も本書を読むまでは
盗難や自然災害等で
生活上の資産が被害を受けた場合も
所得控除の対象になることや
温泉に行った費用も
医療費控除の対象となる場合がある
ということは知らなかった。

こういう知識が浸透していないのは
以下本書P48より引用させていただくが

国税庁という組織は、
税金を増やすための努力は一生懸命しますが、
減らすための努力は一切しないところなのです。
だから、節税の方法は、自分で知ろうとしなければ、
なかなか知ることができないのです。

※売上をわざわざ下げる努力をする会社がないのと一緒で
国税庁が悪いわけではありません。

という背景があるからである。

税金に関しての知識のない人は
必要以上に税金を払うことになり
知識がある人は納税額を
(合法的に)少なくすることができる。
つまり、知ってるか知らないかの差が
そのまま納税額の差となってしまうのである。

節税というと
卑しいイメージを抱く方もいるかもしれないが
正しい知識を身につけて
正しく申告するという行為は
まったく卑しいことではない。

そして以前にも書いたが
税務署員全員が
正しい知識を持っているわけではないし
こちらの無知につけこんで
必要以上に税金を払わせようとする場合もあるので
我々が税の知識を身につけることは
必要なことなのである。
(もちろんきちんと納税することは大事である。)

税金は難しくてよくわからないという方や
今まで税務署員に言われるがままに
申告してきたという方には
是非とも読んでいただきたい一冊である。

ちなみに
今回はサラリーマンの方にも活用できる
節税術がいくつか紹介されているので
「節税なんて関係ない」と思っている
サラリーマンの方も読んで損はない内容だ。

税務署員だけのヒミツの節税術 - あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】 (中公新書ラクレ)税務署員だけのヒミツの節税術 - あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】 (中公新書ラクレ)
著者:大村 大次郎
販売元:中央公論新社
(2012-12-07)
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