高梨としみつ著、ジョー・ナヴァロ原作『漫画・FBI式 しぐさの心理学』(メディアファクトリー新書)

目は口ほどに物を言う、という言葉があるが
目以上に自分の本音が表れてしまう部位がある。

そう、それは「足」である。

たとえば
相手が自分に好意があるかどうかは
足が自分に向いているかどうかでわかる。

好意があれば足は自分の方に向き
そうでなければ
たとえ体が自分の方に向いていても
足は別の方を向いてしまう。

詳しい説明やメカニズムは本書に譲るが
これらの動きは自分の意識を介さず、
無意識のうちに「しぐさ」となって表れる。
(いくら進化したとはいえ
人間にも動物的な面が残されているということだ。)
たとえ顔や表情をコントロールできたとしても
足の動きにまでは意識が回らないのだ。

最初は私もピンとこなかったのだが
過去を振り返ると
思わず納得してしまう出来事があった。

数年前、
私にはとても仲の良い女性がいて
よく飲みに行っていた。

回を重ねるごとに
もう一歩踏み込んだ関係に…
なんてことを考えたりするようになったが
お互いにシャイな性格なせいか
相手がどう思っているのかわからず
(きっと向こうもそう思っていたはず)
その一歩が踏み込めずにいた。

周りからは大丈夫と言われても
自信が持てず、
結局うやむやのまま疎遠になってしまった。

ただ、思い出してみると
カウンター席で並んで座った時には
彼女のひざは必ず私の太ももに触れていた。
(私の方を向いていた)

ああ、あの時に本書を読んでいれば…

話はそれたが
本書には「足」だけではなく
人間がついつい行ってしまう「しぐさ」の例が
豊富に紹介されている。

どういう時にどういう「しぐさ」が出るのか
ということだけでなく
なぜそういう「しぐさ」が出てしまうのか
ということまで言及されているので
非常にわかりやすい。
また漫画なので読む負担が少ないのも良い。

男女関係だけではなく人間関係全般にも
使えるので非常におススメだ。

漫画 FBI式 しぐさの心理学 (メディアファクトリー新書)漫画 FBI式 しぐさの心理学 (メディアファクトリー新書) [新書]
著者:高梨としみつ
出版:メディアファクトリー
(2013-06-28)