三枝理枝子著『人は「そとづら」が9割』(アスコム)

「そとづらがいい」
と聞いて良い印象を抱く人は
あまり多くはないだろう。

著者はそんな「そとづら」を
よくすることを推奨している。
「そとづら」をよくして
楽しく充実した人生を送ろうというわけだ。

たしかに「そとづら」は悪いよりはよい方が
人付き合いはうまくいくだろうし
色んなチャンスにも恵まれるかもしれない。

しかし「そとづら」だけをよくしても
内面がついていけなければ
それは苦痛でしかない。
だったら無理に「そとづら」をよくすることなどしないで
素のままで過ごした方がいいのではないか。

そんな疑問に対して著者は
まずは「そとづら」さえよければ
「うちづら」は無理に変える必要はない。
「そとづら」をよくしていくうちに
おのずと「自分の内面」もよくなっていくと言う。

なんだか無理矢理な感じは否めないが
習慣が人を作るのも事実。

本書では
「そとづら力」を上げるための
「会話術」、「見た目作り」、「振る舞い」、
「(相手への)働きかけ」が紹介されているが
これらは「そとづら」をよくするためというよりは
人と接するうえで気をつけないといけないこと
とも言えるので、読んで損はない。

個人的には本書を読んで
これまで抱いていた「そとづら」への
ネガティブなイメージは払拭された。
「そとづら」をよくするということは
結局のところ自分だけではなく
相手を心地よくさせる行為でもあるからだ。