古賀史健著『20歳自分に受けさせたい文章講義』(星海社新書)

本書の「はじめに」の冒頭に
文章がうまくなる必要なんてない
という一文がでてくる。

この一文を読んで
私は今までとんだ勘違いを
していたことに気付いた。

これまで文を書くときは
うまい文章を書こうとしてきたし
うまい文章を書かないといけない
と思っていた。

他人の書いたうまい文を見て
自分の拙い文に落胆することもあった。

でも本当に大事なのは
うまい文を書くことではなく
自分の思い(主張)が
相手に伝わる文が
書けるかどうかである。
そして思いを伝えることによって
相手の心を動かし
行動を促すことが
できないといけない。

そのために
自分の頭の中にある
伝えたいことをはっきりさせて
それが伝わりやすいように
文体や論理構成に気を配る。

書く内容も
多くの人に受け入れられるような
当たり障りのないようなことではなく
特定の人に向けたメッセージを
他の人の批判を恐れずに書く。 
そうでなければ
人の心に響く文は書けない。

簡単なことではないが
こうして色んなことを考えながら
文章を書き続けて
書く技術を身につけることは
書くことだけに限らず
話すことにおいても
多大なメリットをもたらす。

書くことも話すことも
相手があって成り立つもの。
自分が発信したメッセージによって
読者や聞き手の心を動かすことができれば
それはあらゆる場面で使える
大きな武器になるだろう。

文を書くことの深さを
そして人の心を動かすことの大事さ
教えてくれる良書。

20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)
著者:古賀 史健
販売元:講談社
(2012-01-26)
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