リチャード・ワイズマン著、木村博江訳『その科学が成功を決める』(文藝春秋)①

実験Ⅰ「自己啓発」はあなたを不幸にする!

幸せであることは大事だ。

ただそれだけで人生が楽しくなる。

幸せであることで人は社交的になり、
他人に思いやりを持つことができる。
また免疫システムが丈夫になるなど
さまざまなメリットがある。

でも幸福感とは
意図して得られるものなのだろうか。

本書によれば
幸福感の40%は日常的な行動や
自分自身や身の回りの人たちを
どう受け止めるかによって
変わるとある。

つまり
正しい知識さえあれば
幸福感を得ることは可能なのだ。
(しかもほんの数秒で)

では実際に幸福感を得るためには
何をすれば良いのだろうか?

本書にはこう記してある。

以下引用(P23)

(前略)
手っ取り早く日々のしあわせを
自分のものにしたければ、
ある種の文章を書きだすと
驚くほど効果があるようだ。
感謝の気持ちを示す文章、
理想的な未来を記す文章、
そして愛をあらわす文章である。
その効果は科学的に証明されており、
必要なのはペンと紙と数分の時間だけだ。

以上引用

こんなことで幸福感が得られるのか?
と思うかもしれないが
書くという行為は考える行為を伴うもの。
普段は意識していない様々なありがたみも
考えるという行為をすることで
明らかになっていくはずだ。

住むところがある
毎日きちんと食事ができる
日本という恵まれた国に住んでいる
自分のことを思ってくれる人がいる

などなど普段は意識していなくても
ちょっと考えるだけで色々出てくるもの。

そういうことを日記に書いたりして
それを習慣化していけば
幸福感を得ることができるだろう。

要は自分の意識をどこへ持っていくか。
これだと思う。

ちなみに本書には
お金と幸福度の関係についても
触れられている。

もちろん生きていくうえで
最低限のお金は必要だ。
でもそれ以上お金があっても
幸福度が上がるわけではない。

物と同じで
新しいものや欲しいものを買ったときは
気分が高揚するけれど
時間が経つと慣れてしまい
特別な感じはなくなってしまう。

幸せであるということは
精神的に満たされていること。

お金や物で満たされている
ということとは違うのだ。

感謝の気持ちを持ったり
誰かを喜ばせるために行動したり
また自分が色んなことを楽しみ
笑顔で幸せそうにふるまう。

こうした行為の積み重ねが
自分や自分以外の人を幸せにする
近道なのだと思う。

その科学が成功を決めるその科学が成功を決める
著者:リチャード・ワイズマン
販売元:文藝春秋
(2010-01-26)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る