清水草一著『フェラーリの買い方』(竹書房新書)

本書はタイトルにある通りフェラーリの買い方について書かれた本である。 新車のフェラーリだけでなく、F1マシンやスペチアーレ・フェラーリの買い方にまで言及されている。それこそどこで買えるかといった超基本的なことから、オプション選択、支払い方法、自動車保険といったよくわからないことまで網羅されているのでフェラーリの購入を検討している方は必読である。

フェラーリの買い方」について書かれた本というと富裕層のみを対象としているのではないかと思われてしまうが、そうではない。本書は富裕層ではない「普通の人」に向けてフェラーリの買い方を指南する本である。私もいわゆる「普通の人」であり(もしかしたらそれ以下かもしれないが…)フェラーリはごくごく一部のお金持ちのためのものと思っていたが、本書を読んで私でもフェラーリが買えるかも!と思わず心躍ってしまった。

ただし、著者が購入を勧めるのは(当たり前だが)前述したような新車のフェラーリやF1マシンやスペチアーレではなく中古の量産フェラーリである。その方が断然お買い得であり、店(人)選びさえ失敗しなければ良いコンディションのフェラーリを(お得に)手に入れることができる。また、購入後の保管の仕方やメンテナンス費用、収支についても、※著者の実体験に基づいて詳細に書かれているので、このあたりが気になっている方には非常に参考になるだろう。

※著者である清水氏は過去20年間で10台のフェラーリを買った猛者である。

著者はフェラーリは「別世界へのパスポート」であると述べている。たしかにフェラーリに乗って街を走れば、それこそスーパースター気分を味わえるだろうし、オーナー同士のつながりができ自分の知らない世界を知ることができればそれは人生の糧となるだろう。著者の言う「うだつのあがらないサラリーマンでも、人生を一発逆転させられる。」という言葉もあながちおおげさではない。

そんなわけで高嶺の花と思っていたフェラーリをいつか私も手に入れてみたいと思ったのだが、私は2003年ごろに自動車運転免許を取得したものの、以来一度も車を運転したことがない筋金入りのペーパードライバーなので、フェラーリの前にまずはペーパードライバー講習に通おうと思う。