千田琢哉著『「あたりまえ」からはじめなさい』(星海社新書)

先が見えない時代だからか
自分で考えずに
安直に答えを求める人が増えた気がする。

書店に行くと
そんな人向けに
安直に答えを提示した本が多く並んでいる。

中には本書のように
大事なことが書かれている本もあるが
著者個人の成功体験で
誰にでも当てはまるものでなかったり
眉唾ものだったりすることも多い。 

成功するために
実際に行動することはとても良いことだが
正しいことをしないと
成功することはできない。

お金持ちは長財布を持っているかもしれないし
仕事が出来る人は靴がピカピカかもしれないし
モテる人はホメ上手かもしれないし
運が良い人は部屋やトイレをキレイにする人かもしれない。

たからと言って
その行動だけをマネしてみたところで
ほとんどの人は
お金持ちにはなれないし
仕事が出来るようにもならないし
モテるようにもならないし
運気を上げることもできない。

成功している人は
人間としての基礎ができているから
それが行動にも表れるのであって
人間としての基礎ができていない人が
その行動だけをマネしても意味がない。

だから成功するためには
「あたりまえ」のことを「あたりまえ」にして
まずは人間としての基礎を築くことが必要なのである。

本書に書いてあることは
「挨拶をしよう」
「約束を守ろう」
「ごめんなさいと言おう」
という具合に本当に「あたりまえ」のことばかりだ。

だけども
その「あたりまえ」のことが
ちゃんとできている人は多くない。

だからこそ
「あたりまえ」のことを「あたりまえ」にするだけで
他人と差別化が図れるし
周りの人との信頼関係を築くこともできる。
そして結果的に「あたりまえ」のことの積み重ねが
豊かな人生を作るのだ。

書かれていることは難しいことではないが
本質を突いた良書。

「あたりまえ」からはじめなさい (星海社新書)「あたりまえ」からはじめなさい (星海社新書)
著者:千田 琢哉
販売元:講談社
(2012-07-26)
販売元:Amazon.co.jp
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